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2024.Nov.01

あなたの心を香りで照らす灯火のような存在に

あなたの心を香りで照らす灯火のような存在に

プロフェッチョナル FILE.001

株式会社INNER FLARE/代表取締役 小宮山 大樹さん

1990年生まれ/山梨県甲斐市出身。幼い頃から香り・記憶・心理に関心をもつ。山梨県立甲府第一高校を卒業後、東京バイオテクノロジー専門学校で化粧品開発と調香を専攻。香水メーカー、化粧品製造メーカーを経て2023年9月に独立。香りと化粧品を主幹事業とする株式会社INNER FLAREを設立。調香師/フレグランスアーティスト/化粧品製造コンサルタント/東京バイオテクノロジー専門学校講師。

香りの「興味」と「秘密」。
この距離があまりに広い事を私は長年憂いていた。2020年ステイホームを機に香り製品の売上は上昇。体感的にも香りを求める人に出会う回数は増えている。香りのニーズは年々高まっていると言えるだろう。お店でルームフレグランスを見かける機会がここ数年で一気に増えたのではないだろうか。10年前では考えられなかった光景である。
その一方で香りの業界は秘匿性が強く、その処方や原料が明かされる事は非常に稀である。したがって消費者がその香りは何からできているのか、どんな香料のコンビネーションなのかを知る機会は皆無と言ってもいい。

私は1990年、旧竜王町(現:甲斐市)に生まれ野球に勤しむ学生時代を過ごした。
高校2年生、進路を決めかねていた頃に母から「香りが好きじゃん」と言われ調香師を目指す事となる。
買い物について行っては香り製品の売り場へ行き、テスターを嗅いでいるような子だった。その光景が母からは特徴として映っていたのかもしれない。いつかブランドを立ち上げる。そう意気込んで東京の調香師を養成する専門学校へ進学。
初めて調香をした時の感動は今も鮮明に覚えている。香りを重ねて一つの香りを作る調香。一つの芸術。これをいつか一般の方も体験できるようにしたい。この頃からワークショップの構想を抱き続けていた。例えば料理を食べて「美味しいけど何を食べたかわからない」なんて事はなかなか起こらないだろう。

僕らは食材や組み合わせを知っているから、違いを知って議論が出来るのだと思う。かたや香りはいい香りだけど、何が入っているのかわからない状態が続いている。悪く言えば生産者の売り方が消費者には優しくないとすら感じる。

「甘い香りが好き」という表現はよく使われるが、バニラ、ムスク、フローラル、フルーティ、ウッディどんな甘さをその人が「甘さ」と言っているのか掴みきれない。処方とまでは言わないが、せめて香調(ノート)や香料について会話ができれば話は早い。つまり消費者と生産者には共通言語がないのだ。

INNER FLAREでは、香りの原料や処方に触れる事ができ、共通言語を消費者の方に浸透させる事に存在価値を見出している。ここを通過した人が香りの言語表現が出来るようになって製品選びに一役買う。その時に選ばれる商品が弊社のモノであればさらにありがたい。そんな姿勢で香りと制作に向き合っている。香りは選ぶ時代からカスタマイズする時代に突入している。その文化が出来上がった時に先頭を走っていたい。

[調香ワークショップ(要予約)] 
香りの素となるような単品香料から天然精油まで幅広い香料を取り揃えております。相談しながら一緒に作業を進めますので、ぜひハードルを下げてお越し下さい。香りは直感的なものです。こちらから説明する理論と、皆さんの直感を掛け合わせて思い描く香りを作りましょう。

DATA

株式会社INNER FLARE

住所山梨県甲府市飯田3-10-25 2F
電話番号070-6999-2020
営業時間10:00-18:00
定休日
URLhttps://inner-flare.jp/
Instagramhttps://www.instagram.com/inner_flare_from_yamanashi/

Tag
COLUMN
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