2026 Wed.

14

# NOVEL

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2026.Jan.14

ゲンザイ、カコ、ミライ、、、

ゲンザイ、カコ、ミライ、、、

これまでを振り返る

昨年の後半から、障害年金の申請のために自分の生い立ちや特性などをまとめている。

人によっては、記憶と一緒に感情が引っ張られて泣き出すこともあるらしいが、たとえ書面でも生きづらさが認められる機会と思えば、なんてことはない。どのみち、私の特性は、多少顔を見た程度では分からないのだ。

思い返すと、この1年は何かと人生を振り返ることが多かった。『就活』の前に『終活』。一度、人生の精算をするにはちょうどいいタイミングだったのかもしれない。

当事者A

……私には、世の中にウケるようなサクセスストーリーがない。障害特性は世間一般のイメージよりもだいぶ軽く、不登校や引きこもりの経験もない。言われるままに仕方なく学校に行き、なんだかんだしてるうちに、いつのまにか高校を卒業していた。障害者雇用での一般就職は2回経験しているけど、長くて1年ちょっと、短くても1週間と続かなかった。それ以降は就労支援施設を転々として今に至る。劇的な社会復帰のストーリーに比べたらわりと地味めな人生だ。 まあ、美談にできる体験を持つ人のほうがごくわずかなだけで、大抵は大きな失敗も派手な成功もないのが普通。空気が読めないと言われればイヤでも空気に敏感になるし、気が利かないと言われれば過剰に気を使う。地味に神経をすり減らしながらどうにかまともな枠に収まろうと苦労してる人が圧倒的に多いのではないか。傍目にはわからなくても、その内側で起きていることは定型発達者とさして変わらない気がする。

念願かなって……

これまでの人生を考えると、この年はわりと運が良かったのかもしれない。高校生の頃からの念願だったライターの仕事をするチャンスに恵まれ、月に一度の連載をほぼ通年やらせてもらえた。それも、もうすぐ一年が経過する。よくもまあ、折れずにここまで来れたなと思う。(まあ、あまりにも暗すぎてリテイクを出されたときは本当に心がポッキリ行きかけたけど。)

ブレイクした役者やアーティストが「ここで売れなかったら引退も考えた」と振り返る感覚に近いのかもしれない。私自身、これで何もならなかったらきれいさっぱり諦めようと考えていたくらいだ。諦めの悪さでズルズルと10年。ここに来てようやく順番が回ってきたらしい。

細く、長く……

一度もらったチャンスだ。せっかくなら、できるだけ長くこの仕事を続けたい。そのためには、とにかく信頼を勝ち取ることが必要不可欠だ。やりたいことができているからと調子に乗らず、せめて受けた仕事は全うしたい。昨今のスキャンダルを見るに、自分が秀でているという優越感や他者を見下す態度は、後々どこかで必ず足を引っ張る。長い時間をかけて築き上げた信頼関係も、壊れるのは一瞬だ。派手な盛り上がりや過剰な明るさを求めるのは得意ではないが、その分”お願いしてよかった”と思われるような仕事をウリにしていけばいい。

年は変わっても、やることは変わらない。忙しくても、心を亡くさず。今年も、これまで通り淡々と目の前の仕事を進めていくのみ。

「何といっても、私は諦めが悪いのだ」

HN:ながみね

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CULTURE
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